旅立ちの準備 — 6歳のいまから考えはじめた看取りの心構え
「まだ6歳でしょ?気が早いんじゃない?」と友人に言われました。確かにふくはまだ元気で、毎朝散歩に行きたがるし、ごはんも完食する日が増えてきました。それでも、私はいまから少しずつ「お別れ」の準備をしておきたいと思っています。
きっかけは、近所で同じく柴犬を飼っていた先輩飼い主のSさんが、12歳の柴犬を看取った時の話を聞いたことでした。「準備していたつもりだったけど、いざという時に何も決められなかった」と。冷静さを失う前に、いまのうちに考えておきたい、と思うようになりました。
この記事は感傷的な話ではなく、6歳の時点でも準備しておけることを実務的にまとめたものです。
なぜ「いま」考えはじめたのか
柴犬の平均寿命は12〜15歳と言われています。ふくは6歳なので、人間に換算すると40代前半。健康状態は良好ですが、シニアと呼ばれる年齢(7〜8歳)が目前です。
Sさんから聞いた話で印象的だったのは、「最期の数か月は、決めなきゃいけないことが急に増える」ということ。冷静に判断できる時期と、できない時期がある。私はいまの冷静なうちに、いくつか決めておくことにしました。
火葬の方法を事前に決めておく
これは一番重い話なんですが、Sさんが「ここを決めておいて本当に良かった」と話していたのが、火葬の選択でした。
ペット火葬は大きく分けると、合同火葬・個別火葬・立会個別火葬の3種類があります。料金も対応も業者によってかなり違います。最期の瞬間に電話帳をめくって業者を探すのは、精神的にとてもしんどいそうです。
私が最近知って、いまのうちに資料請求しておこうと思っているのがこちら:
事前に決めておくことの意味は、**「お別れの瞬間に判断を増やさない」**こと。費用感も合同なら数千円〜、個別だと2〜5万円程度と業者により幅があるので、わが家の予算と方針を、いま冷静に話し合っています。
写真・思い出を形に残す準備
これも先輩飼い主さんに勧められたことなんですが、「思い出は元気なうちに作っておく」のが大事だそうです。最期の写真ばかりが残ると、それが記憶を上書きしてしまうことがあるとか。
ふくの思い出を残すために最近検討しているのが、フォトブックです。
フォトブックを作る過程で、自分自身がふくとの思い出を整理する時間が持てる、というのが副次的なメリットでした。「あの時こんなだったな」と振り返るのは、いまだからこそ落ち着いてできることだと思います。
形見をどう残すか — 立体物という選択肢
写真や毛のひと房を残す方も多いですが、最近は3Dフィギュアという選択肢もあります。これも友人に教えてもらって知りました。
最初は「気が早い」と思ったんですが、Sさんに「元気な姿のフィギュアを作っておいたから、看取った後に救われた」と聞いて、考えが変わりました。亡くなってから写真を集めて作るより、いまの一番元気な表情を残せる方が、後々の自分にとっていいのかもしれない、と。
健康診断を年2回に増やした
実務的な準備として、健康診断の頻度を上げました。6歳までは年1回でしたが、6歳を機に半年に1回に変更。シニア期が近づくと、病気の早期発見がお別れまでの時間の質を大きく変えます。
血液検査・腹部エコー・心臓エコーをセットでお願いしていて、1回あたり2万円ぐらい。年4万円の出費は決して安くないですが、ふくに残された時間を最大化するための投資だと考えています。
食事の質を見直しはじめた
シニア期に向けて、食事の質も少しずつ変えています。6歳から7歳にかけて、消化に負担をかけないフードに切り替える予定です。
フード切替は2〜3週間かけてゆっくりするのが基本。いまから少しずつ慣らしておけば、シニア期に入った時の負担が減ります。
家族で「最期の希望」を話し合う
これが一番大事だったかもしれません。家族で、ふくとあんの最期について話し合う時間を作りました。
話し合った内容:
- 終末期に延命治療をどこまでするか
- 自宅で看取るか、病院でか
- 痛みをコントロールする鎮痛緩和をどう考えるか
- 火葬は合同か個別か
- お骨をどうするか(自宅・霊園・散骨)
正解はないし、状況によって変わるので、決め切るというより「考え方の方向性」を共有する程度にしました。それでも、何も話していない状態よりは、いざという時に判断が楽になるはずです。
経済的な準備 — 終末期は意外とお金がかかる
これも実務的な話ですが、シニア期から終末期は医療費が跳ね上がります。Sさんによると、最後の半年で30〜50万円かかったそう。
私はふく専用の積立を月5,000円ずつ始めました。6歳から始めれば、12歳までに36万円。多頭なので、あんの分も別途。「お金で迷って治療を諦める」ことだけは避けたい、という気持ちで続けています。
いまを大事にする、というのが結論
長々と準備の話を書きましたが、結局のところ一番の準備は**「いまを大事にする」**ことだと思います。Sさんも最後に「準備よりも、毎日の散歩を1回多くしてあげれば良かった」と言っていました。
ふくとあんが元気なこの瞬間を、後悔しないように過ごす。それがいま6歳の私にできる、いちばんの準備なのかもしれません。
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まとめ
- 火葬業者は平時に資料請求して比較しておく
- 写真整理・フォトブックは元気なうちに作る
- 3Dフィギュアという形見の選択肢もある
- 健康診断はシニア期に向けて頻度を上げる
- 食事の質を6〜7歳から見直しはじめる
- 終末期の希望を家族で話し合っておく
- 医療費の積立を始める
「気が早い」と言われても、私はこのタイミングで準備をはじめて良かったと思っています。ふくとあんと一緒にいられる時間を、最大限に大切にしていきたいです。
この記事を書いている人
久保里奈(くぼ りな・39歳)
神奈川県逗子市在住のフリーランスデザイナー。
柴犬「ふく(メス・6歳)」「あん(オス・2歳)」と暮らしています。
柴犬専門で10年、咬みつき癖や手作りごはんの試行錯誤の記録を綴っています。
タグ: #見送り#ふくの記録#シニア期#写真集